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映画評vol.2「ドラゴンボールZ 復活のF」/誰か鳥山先生にDBを教えてあげてください…。

映画のレビュー

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「ドラゴンボールZ 復活のF」(2015年・日本) 

 

【ストーリー】

破壊神ビルスとの戦闘が終わり、地球には平和が訪れた。ところが、ドラゴンボールを求めて地球に近づいてきたフリーザ軍の残党ソルベとタゴマがフリーザを復活させてしまう。孫悟空たちサイヤ人へのリベンジを果たすべく、フリーザは地球に新フリーザ軍を送り込み、孫悟飯やピッコロ、クリリンが立ち向かう。そして、悟空とベジータは進化を遂げたフリーザと対峙し……。(シネマトゥデイより)

 

 

※以下ネタバレあり

 

「原作者の鳥山明が初めて脚本を書きおろし、あの悪の帝王フリーザを復活させる!」これを初めて知ったとき、そしてキービジュアルを目の当たりにしたとき、なんというかもう、震えが止まらないくらい興奮したのを覚えている。

それから数か月、徐々に情報が解禁され当初の興奮から冷静さを取り戻すと、今度は不安の方が大きくなっていった。

 

なんといってもあの鳥山明先生である。ファンの間では非常に忘れっぽいことで有名であり、ドラゴンボールという作品に対してもいささかドライな立場で……乱暴な言い方をすると「嫌々描いていた」というのは周知の事実である。

 

ドラゴンボールの正当な続編が誕生するのはもちろん大歓迎だが、鳥山先生1人に任せるのはアブナイぞと。実際のところはどう作られたのかは知らないが、サポートというか「先生、それだと原作と矛盾しますよ」みたいな人はいたのだろうか?

結論から言うと、そういうサポートは無かったんじゃないかなあと思わずにはいられない。

僕みたいな、まさに「ドラゴンボールで育った」という生粋のファンからすると「違うだろ!それヘンだろ!」と叫びだしそうになる矛盾や設定崩壊が散見される作品に仕上がってしまった。不安は的中したのである。

 

「細かいことウダウダうるせえ!」と思われるかもしれないが、ドラゴンボール世代からするとやっぱりどうしても納得いかないのである。

以下、箇条書きでまとめたいと思う。

 

・そもそもドラゴンボールで復活できるのは1年以内に死んだものではなかったか?

これはよくよく考えると「フリーザに殺されたものたちを生き返らせてくれ」といった大勢を生き返らせるときだけに適用されるルールと読み取ることができるので矛盾はない。

 

・死んでからも肉体が与えられるのは一部の達人や英雄だけじゃないの?

原作35巻で悟空はこう言っている。

「ふつうの人やセルみたいな悪もんは魂だけになっちまうんだけど、オラはカラダを付けてくれるってさ!」

TVアニメではフリーザやセルが生身の肉体を持ったまま地獄にいる様子が描かれている。そのへんは全く納得がいかなかったが、アニメは結構原作無視のめちゃくちゃな展開が盛り込んであったから、そこまで気にしなかったが…。

 

・フリーザの戦闘ジャケットは身体の一部

これはパンフだかなんだかに書かれていた衝撃の設定。

初めて変身するときジャケットを破壊したのは脱皮みたいなことだったのか…。

 

・戦闘力の設定崩壊

これがいちばん納得できない部分だろう。

いくら修行をしてなかったとはいえ、フリーザ第一形態のワンパンで心臓が止まる悟飯。ザーボン、ドドリア程度のランクの幹部と互角のピッコロ。

寄せ集めとはいえ、何十人もの兵士を1人で相手にできる亀仙人。

鳥山先生曰く「亀仙人は本気を出せばあれくらい強い」らしいが、それは原作の否定でしょ!初代ピッコロ大魔王戦で命を落とし、弱虫ラディッツよりも明らかに弱い亀仙人が今さら本気とか、脚本書いた人間は原作知ってるんですか!?…ああ、原作者か。

 

そもそも亀仙人参戦ってファンは喜ぶのかなあ?

僕としては、せっかく界王の元で修行したのにその成果を全く見せていないヤムチャやチャオズが戦ってくれた方が嬉しい。

「チャオズとヤムチャは置いてきた」とかいう新しいギャグなんかいらないよ天さん!

 

・フリーザの口調

これも所謂「にわか」が陥りやすいところ。

フリーザといえばあの丁寧なしゃべり方が超有名だが、実は変身を重ねるごとにその口調は変わり、最終形態では子供っぽい口調になる。一人称は「ボク」になるのだ。

その状態でもキレると「オレ」になるが、一度として「私」とか「~さしあげますよ」なんて言い方はしていない。

一体、脚本を書いたのはどこのにわか……ああ原(略)

 

まあ細かいこと挙げるとまだまだあるが、もし次があるなら、是非僕みたいな生粋のファンの意見も聞いていただきたい。ストーリー云々とかではなく、確認の意味で。

 

もちろん原作者脚本で良かった点もある。

特にアニメ版では妙に虐げられ本来のキャラ性を捻じ曲げられたベジータに関しては、原作者ならではの「ホンモノ感」が出ていた。

青色の超サイヤ人なんていうのも、その賛否はともかく、原作者でないと描けない大胆な設定だ。

 

ただ肝心の脚本自体は上記の設定云々を抜きにしても上出来とは言い難い。

フリーザのスタミナ切れというネタは当時と全く同じだし、油断した悟空が一撃であっさりやられる場面もマジュニア戦の出来そこないと言わざるを得ない。

大問題なのは悟空と同レベルのベジータという存在が涼しい顔で控えているということである。仮にフリーザが悟空に実力で勝ったとしても、そのあとのベジータには絶対に勝てない。バトルものでここまで危機感がないというのは逆に斬新だ。ビルスとウイスは嫌いではないが、はっきり言ってこの物語には邪魔でしかない。厄介なキャラを生み出したものだ。今後の扱いも難しいだろう。

 

現在、この先の物語が「ドラゴンボール超」として放送中であり、プロットやキャラデザインは鳥山明自らが手掛けている。

僕のようなオッサンを相手に作ってるわけではないのは承知しているし、お話自体にアレコレ言っても仕方ないが、鳥山明の新キャラクターを見て全くワクワクしなかったのは初めてだった。

元々の鳥山先生の作風といってしまえばそれまでだが、ドラゴンボールの続編を作るとなったらそのへんはうまくコントロールしていただきたかった。

ま、それでも毎週楽しみにしてますけどね、なんだかんだ(笑)

 

ちなみに今回、何年ぶりか分からんくらい「ちょっと本気」でドラゴンボールイラスト描いてみました。ちょっと描き方忘れてますね、やっぱし。

「復活のF」の鳥山設定画を見ながら「原作後期のタッチ」で描いてみました。

 

 

 

 

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