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変なおくさん エピソード2

エッセイ

 

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僕の奥さんは、何故か初対面の、特に大人の女性に妙に気に入られるという特殊能力がある。

 

最近懇意にさせていただいている居酒屋さんに2人で行った日のこと。

そのお店では僕らが描いた似顔絵や「にがおえレインボー」のチラシを貼らせてもらっていて、僕らが行くと「似顔絵を描いてもらいたい」という話がどこからともなく出てきて、気が付くとお酒や料理を注文する前に僕らが似顔絵の注文を受け付けている、ということが少なくない。

 

その日も、僕らが座ったカウンター席の隣にいた40代の女性が似顔絵に興味を示してくださり、僕が営業モードで説明をしていた。

同じく、他の常連客に営業していた奥さんが戻ってきて、とりあえず一息つき、僕らも普通に食事をすることに。

 

するとすぐに女性と奥さんが話を始めた。

 

女性「かわいいわねー。誰かに似てるかもー」

 「本田翼って言われます」

女性「あー!はいはい!ホント、かわいい」

妻 「かわいいんじゃないんです。イケメンなんです」

女性「キャハハハ!うん、確かにイケメン!え?外人?ハーフ?」

妻 「ド日本人です。強いて言うなら東京と千葉のハーフです」

女性「キャハハハ!やだ、この子、おもしろーい!いくつ?」

 「もうすぐ26」

女性「ウチの息子ハタチ!あんま変わんないじゃーん。かわいいねー。おー、よしよし♪かわいいー♪旦那さん、いいねー、こんな若くてかわいい子が嫁さんで!」

僕 「いや、はあ…」

 「飼い主です」

女性「はあ?飼われてんの?」

妻 「いいご主人を見つけました!」

女性「やだー!この子へーん!キャハハハ!ねえねえ、聞いたァ?ペットだよ、ペット!おもしろーい!かわいいー!旦那さーん、持って帰っていい?」

僕 「あ、どうぞどうぞ。たまには違う人間に世話してもらった方が僕としてはイイかと」

女性「いいってー!ウチ来る?やだー、そんなキレイな目で見つめないでー!恥ずかしいー!はい、お手」

 「(お手)」

女性「おかわり」

妻 「(おかわり)」

女性「ちんちん」

 「(立ち上がって、飛びつく!)」

女性「キャハハハ!!!かーわーいー!!!!よしよしよしよし!!!!」

 

 

出会って5分でこの状況である。

その間、女性と一緒にいた男性と僕はほぼ無言である。

 

だが、こういう状況は実はそんなに珍しいことではない。

飲食店で僕がお会計をして戻ってくると、いつの間にかお店のお姉さんに頭を撫でられている奥さんを見たことがある。

 

「実はお料理運んでるときから、ドキドキしてたの!かわいいわねー!外人?」

 

などと言われ、言われてる奥さんも尻尾を振っている有様。

実際、奥さんはウレシイと尻尾ならぬ「足首を振る」というふざけた性質を持っている。

 

というわけで、奥さんが初対面の女性にいきなりペット扱いされるのにも慣れっこではあるのだが、さすがに今回は相手もかなりの使い手と見受けられ、僕は苦笑しながらビールをチビチビと飲むしかなかった。…というお話。