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ゲーム評vol.2「シアトリズム ドラゴンクエスト」

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シアトリズム ドラゴンクエスト(2015年・ニンテンドー3DS)

 

 

「ドラゴンクエスト」シリーズ初の音楽ゲーム(いわゆる「音ゲー」というやつ)。

システムやキャラクターなどの世界観は「シアトリズム ファイナルファンタジー」(以下「TFF」)を踏襲している。

 

Amazonで新品が1140円(82%OFF!!)だったので、ついポチッと購入してしまった。発売したのが2015年3月15日とはいえ、悲しくなるほどの値崩れ。そもそも発売後2~3か月で半額にまで下がったという話も聞く。

 

このソフトがそこまで敬遠された理由は二つあると思う。

 

1.「カーテンコール待ち」

シアトリズムシリーズ1作目「TFF」は収録曲が約70曲ほどだったのだが、その後追加コンテンツを含むほぼ全ての楽曲が引き継がれ、さらに新曲を多数収録した続編「シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール」が発売された。

収録曲は221曲と大幅に跳ね上がり、続編というより「完全版」というべき内容で、その時点で「TFF」を購入する理由は全く無くなってしまった。

かくいう僕も「カーテンコール」から手を出したクチである。

 

そういう経緯があってからの今作「TDQ」だ。

「どうせまたカーテンコールが出るだろうから様子見しよう」と多くのユーザーが買い控えを起こし、結果ドラゴンクエストシリーズの売り上げとしては「大コケ」といっても過言ではない数字を叩き出してしまったわけである

僕も1000円ちょっとだから買ったのであって、発売当初は様子見を決め込んでいた。

 

2.「カーテンコール(完全版)を出すことを前提とした中途半端な出来映え」

前提としていたかどうかは分からないが、少なくてもユーザーからはそう見られても仕方がない。なにしろ収録曲数が60曲である!これは1作目より少ない!

発売後、数回に渡り無料で追加楽曲を配信していたが、それでも少ない。

シアトリズムシリーズとしては3作目にあたるのだから、それが1作目よりボリュームダウンするというのは…ユーザーが離れてしまうのも無理はない。

それとも開発側は「ドラクエシリーズだから、これでも売れるはず!」とでも思っていたのだろうか…?

 

 

そもそもこの作品、ドラクエの名を冠するゲームとしては致命的な欠点がある。

 

それは「絵が鳥山明じゃない!」ということ。これは大きい。

絵柄自体は前作、前々作と同一、つまりシアトリズムシリーズとして一貫させている。

極端にデフォルメさせたマスコット的というかメルヘンチックなデザインが特徴である。

シリーズ毎にデザインや世界観が変わっていくファイナルファンタジーならばギリギリでこれもアリだったのかもしれないが、ドラクエには確固たる共通の世界観があるし、なんといっても鳥山明のデザインで完全に定着している。

音ゲーとしてのデザイン…という意味では分からないではないが、変にシアトリズムの世界観にこだわらないで、もう少し「鳥山風」でも良かったのではないか?

 

このゲームでは「コレカ」と呼ばれるキャラクターやモンスターカードの収集要素もあるのだが、なんだかよくわからないアレンジが加えられたキャラたちが描かれたカードを集めようという気は起らない。

これが鳥山絵だったら収集のモチベーションにも繋がったと思うのだが…。

 

肝心の音の方だが、「TFF」がそのほとんどが原曲収録だったのに対し、今作はシンセサイザーによるアレンジ。

これに関しては賛否が分かれるところだと思うが、どれもオーケストラ版に近いアレンジで僕としては特に文句はない。

原曲(特にファミコン)だと1ループが短いのでプレイしてると同じ譜面ばかりですぐに飽きてしまう。

ただ、懐かしさや古参のファンに訴えるならばファミコンやスーパファミコンの原曲をもっと増やすべきだったし、音ゲーファンや新規のユーザーにアピールするならば楽曲を100曲以上は用意すべきだったと思う。

 

しかも前作で好評だった「ミュージックプレイヤー」(条件を満たせばいつでも好きな曲を聴くことができる)の機能を削除!

これは痛い!!ドラクエは権利関係が厳しいらしいけど、だったらそれに代わる、何か気の利いたモードなりを用意できなかったのだろうか…。

 

 

育成要素もまた微妙というか中途半端。

「TFF」のときも完璧とは言えなかったが、あちらはアビリティを付け替えたりできた分、少しは考えてパーティを組む必要があったのだが、今回は職業毎に特技などを覚えるだけなので「いつの間にか呪文とか覚えてた」という感じ。

その呪文がどういう効果をもたらすのかよく分からないまま(とりあえず分からなくても)なんとなくゲームは進めてしまう。

サイドビューで味方キャラが描かれていたTFFとは違い、文字だけで技や呪文が出るという仕様もその「よく分からないまま」に拍車をかける。

 

難易度は3段階に分かれているが、いちばん易しい「ふつう」は簡単すぎて話にならないレベル。

真ん中の「難しい」でもちょっと慣れればフルコンボ(ノーミス)が出せるくらいなので、ゲームとしての楽しさや悔しさみたいなものは味わいにくく作業ゲーと化してくる。

じゃあ3つ目の「激ムズ」でやればいいと思うかもしれないが、こちらは文字通り難しすぎて楽しめない。クリアは出来るが音ゲーとしての心地よさが得られにくい。

「難しい」と「激ムズ」の中間の難易度があればちょうど良かった。

 

「TDQ」独自のモードとして「すごろく場」がある。

僕は結構このモード好きなんだけど、音ゲーを楽しみたい人が熱中できるモードではないだろうなあと思ってしまう。

 

プレイをするたびに溜まっていくポイント「リズポ」も、前作はミュージックプレイヤーで聴ける曲が解放されたりと、それなりに溜めるモチベーションは生まれたが、今作はゲーム自体の底が浅いもんだからたいしたご褒美はもらえず。

 

すぎやまこういち先生の楽曲はもちろん名曲ばかり。ゲームの出来自体も決して悪くない。

ただ、いたるところで「カユイところに手が届かない!」というか、とにかく中途半端な作り。非常に惜しい!!

前作を50時間以上はプレイした僕も、今作はまだ10時間ほどしかプレイしていない。そしてもう飽きつつある…。悲しいなあ。

 

とにかく惜しい!!もったいない作品なのだ!!