似顔絵通販は安い?高い?その相場と本当の価格(業界裏話その2)

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※2021年3月2日追記

この記事は2019年7月10日に書いたものですが、「比較Biz」なるサイトにほぼ丸パクリされているのを発見しました(あちらの更新日は2020年7月28日)。

この記事は似顔絵の現場も、通販事業も、経験で知っているからこそ書けた内容だと思うのですが、あれを書いた人はナニモノ!?(パクリじゃないとしたら、ですが)

 

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 今回は「似顔絵通販の価格」に迫ってみたいと思います。

 

ぶっちゃけ似顔絵通販って高いと思いませんか?

ちゃんとしたところだと、安くても1万円は軽く超えるイメージですね。

4人家族なんかだと2万3万当たり前という感じです。

 

というわけでズバリ、

・なぜ似顔絵通販は高いのか?

・その価格に妥当性はあるのか?

・賢い似顔絵通販の選び方とは?

 

といったところを解説したいと思います。

ただし、あくまでも僕の私見であり、仮説です。

 

…でも、経験に裏打ちされた仮説でもあります。

 

 

 

似顔絵はネット通販時代へ

「似顔絵を描いてもらおう」と思ったとき、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?

 

少し検索すると分かると思いますが、その方法は大きく分けて

 

「ショッピングモールなどに出店しているところで直接描いてもらう(以下「席描き」)」

or

「ネット通販で注文する(以下「通販」)」

 

の二つに分かれると思います。

 

5年くらい前までは似顔絵の主流は「席描き」でしたが、今はスマホの普及なんかもあって「通販」が活気づいています。

 

カップルなんかが記念日などで自分たちをその場で描いてもらう分には席描きでも十分だと思いますが(その時間そのものが思い出になったりしますし)、プレゼント用やウェルカムボード用となるともう少しじっくり丁寧に描いてほしいところです。

 

それは描く側も同じで「ウェルカムボードに使うものを30分で描きたくない…」みたいな気分が業界全体に漂い、近年の似顔絵作家たちは通販に力を入れ始めました(もちろん、理由は他にもあると思いますが)。

 

似顔絵通販サイトって…高くない?

そんな「似顔絵通販戦国時代」真っ盛りの昨今ですが、ネットで検索して各サイトを見ているとこんなことを思うのです。

 

「(値段が)高くね…!?」

 

そう、かなり高額なのです。

 

店頭価格の3~4倍!!

席描きならば色紙サイズに1名1,500~2,000円くらいが相場です。

これが通販となると8,000円~10,000円!

 

5,000〜6,000円台ならかなり安い方でしょう。

 まあ、だいたいザっと見た感じの相場は8,500円くらいだと思います。

税込みだと10,000円を超えてしまうネットショップもわりと普通に見かけます。

ちなみにウチの「にがおえレインボー」は色紙サイズが1名5,800円(税込み6,380円)(※1)、全国送料無料です。

 

一般的に、A3サイズなんかだと1名20,000~30,000円なんてザラで、ウェルカムボードなんて30,000円とか40,000円とか。

こちらもウチではA3サイズ1名9,800円(税込み10,780円)です(※2)。

 

※1 2021年9月から色紙・A4サイズ共通で税込み6,800円になりました。

色紙は少し高くなりましたが、A4は安くなりました。他にも一部安くなっています(ウェディングオプションなど)。

※2 こちらは税込み9,800円となり、980円安くなっています。

 

 

席描きより何倍も時間が掛かるとは言え、1名10,000円とかはいくらなんでも足元見過ぎなんじゃないか!?

敢えて言おう、ボッタクリであるとッ!!

 

高額になるカラクリ

ボッタクリという言い方は乱暴ですかね。

でもやっぱり色紙サイズに1人描いてもらって1万円は……ねえ?

 

では、なぜそんなに高額になってしまうのか!?

 

その原因…というか僕の仮説なんですが、それは「過去の慣例をそのまま引き継いでしまっている」のではないか?ということです。

 

前述の通り、かつての似顔絵の主流は席描きでした。

12~3年くらい前がピークだったと思います。

その頃はスマホもSNSもほとんど普及していなかったし、携帯のカメラの性能もまだまだだったので「通販で似顔絵を」という発想はあまりありませんでした。

 

それくらいの時代の似顔絵通販は封書で現物の写真を送ってもらったり、文字数制限のあるメール、あるいは電話で直接何度もヒアリングを重ねたりするなど、とにかく手間が掛かるものでした。

出店しているならそこで直接お客様とやりとりした方がよっぽど効率も良いし、そもそも通販は、遠方に住んでいてなかなか直接描いてもらう機会がない人のためのもの、という位置付けでした。

そういったわけで、通常の席描きよりも3~4倍くらいの価格設定になったわけで、そこに妥当性はあると思います。

 

手間は減っても価格は変わらず

「通販は高い。そういうもの」そんなヘンな常識が、技術がこれだけ進歩した現代でも未だ根強く残っています。

というよりも多分、誰もそのへんを疑問視していない、と言った方が正しいかもしれません。

 

実際、今のスマホカメラは拡大縮小も自在ですし画質も鮮明です。なんなら動画も送ってもらえばその人の雰囲気がより伝わりますし、送受信の手軽さも10年前とは比べ物になりません。

写真から似顔絵を描く労力はかなり減っています。

手間は何分の1にも縮小したはずなのに、お値段は据え置きでございます!!

これって、業界全体でユーザーを欺いているんじゃないですか?

それは言い過ぎでしょうか。

 

組織の上層部がどういう考えかは分かりませんが、似顔絵師からは「絵の値段なんて普通の人は分からないから」「高くても買うんならいいんじゃない?」という声を聞いたことがあります。

 

席描きが1,800円とかなのに、同じサイズ同じ人数で通販は1万円。

これが今の似顔絵界の値段設定です。

 

確かに通販は、時間の制約がある席描きよりじっくり丁寧に描けます。その分だけ高額になるのは当然です。

しかし多くの企業が通信技術の進歩を全く考慮しないままという点は、僕としては座視できないポイントです。

 

似顔絵の本当の価格

 そもそも、例えば1枚8,000円だとして、似顔絵師はいくらもらえるのでしょうか?

 その内訳を解説したいと思います。

 

似顔絵1枚の価格内訳

基本的にこの業界は歩合制です。全ての会社がそうというわけではないですが、まあほぼ間違いなく歩合制でやってます。

 

最近話題の吉本興業のように「タレント(似顔絵師)一人一人が個人事業主で、会社はその人たちと出来高払いで契約している」という感じです。

ちなみに契約の形によっては、我々の世界にもたまに「闇営業問題」が発生したりしなかったり。

 

で、その報酬の内訳ですが、だいたい半分が作家の取り分で、残り半分が会社です。

 

4,000円…作家の給料(メールなどの事務手数料込み、梱包代負担の場合あり)。

 

4,000円…会社の取り分。

 

これも会社によって違うのですが、例えばお客さんとの連絡や発送まで全部やってくれるところもあるし、60%くらいもらえるけどそれらの仕事も全部作家自身でやるところもあります。

 

中間マージンが価格を上げる

まあかなり大雑把な計算ですが1枚8,000円の絵のうち、3,000〜4,000円くらいは会社への中間マージンということになります。

 

先日テレビ(日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」)で「ペットのイラストを油絵で描く女性」を観たのですが、その価格が1枚5,000円でした。

それが適正価格がどうかは議論されているようですが(油絵ですし、僕は安すぎると思いますが…)、これもある意味ではフリーだからこそ実現できた価格設定です。

もし彼女がサイトに登録したり、そういう会社に所属してネット販売する場合は、同じ作品でも販売価格1万円とかになるでしょう。

 

つまり、あなたが似顔絵に1万円を払うとき、そのお金の半分は事務所や会社への手数料などを払っているというわけなのです。

 

似顔絵通販の正しい選び方

出来れば支払う金額は安く抑えたいところです。

でもクオリティーも気になる…。

そんな人に僕なりの「似顔絵通販の選び方」をご紹介します。

 

フリーの似顔絵師がオススメ!

フリーの人には中間マージンがありませんので、余計なお金を払わずに済みます。

個人でホームページを開設しているところは税抜きで5,000円~6,000円台くらいが相場かなという印象です。

そして、そういう人はかなり上手です。※

 

※2021年追記

現在はちょっと状況が違うようです(後述)。

 

 

それも当然な話で、会社のお膳立てが無くてもやっていける実力があるからこそ完全フリーで活動出来ているのです。

 

それともうひとつ「臨機応変に対応してくれる可能性が高い」という利点も見逃せません。

例えば納期だったり、紙のサイズや種類だったり、会社経由だとどうしてもルールが厳しくなりがちですが、フリー似顔絵師の場合は本人の気持ち次第でやってくれたりしますので、そのあたりも魅力のひとつです。

一応言っておくと、僕の「にがおえレインボー」も会社ではなく個人で営業している、いわゆるフリーの似顔絵屋さんです。

 

我が「にがおえレインボー」の価格は冒頭に書きましたが、そこからさらに「ゆっくり便(10%OFF)」や「クーポン」や「掲載OKで500円引き」などもありますので(すべて併用可能)、うまく活用いただければ4,000円を切るなんてこともあります。

もちろん下描き時点でのキャンセルも可能です(ほぼありませんが…)。

 

「その絵が好きかどうか」が最も重要!

もちろん「気に入った絵柄の人にお願いする」というのが大前提です。

高くても「どうしてもその人に描いてほしい」というのであれば1万円でも2万円でも出した方がいいでしょう。

ただし「人気そうだから」「検索したらすぐ出てきたから」という理由で選ぶのは全くオススメできません。

 

実際、似顔絵を通販で頼もうと思ってネット検索したときにいつも上位に出てくる超大手通販サイトがありますが、あまりいい評判を聞きません。

 

これは実際にお客様から聞いた話です。

 

「検索したらすぐ出てきて、人気もありそうだから頼んだら……あんまり…。それで今回はいっぱい調べてレインボーさんにお願いすることにしました」

 

こういうお話は少なくありません。

 

それと、安さだけで決めるとやっぱり痛い目に遭うことも。

一人1,000円とか、ウェルカムボードが3,000円!みたいに激安なところは、まず間違いなくプロとしての経験がほとんどない人たちなのでこれもオススメしません(ココナラ、とかminneあたりにいっぱいいます)。

 

※追記

ここのところ上記のようなサイトにプロが流れているような状況が目につきます。

価格もどんどんデフレ状態になっていて3,000円台もザラです。

納期も「2日で発送!」といったような、お客の取り合いといった様相を呈しています。クオリティーは保てているのか、正直疑問は残ります。

 

まとめ

・通信技術の進歩で通販の似顔絵はかなりラクになったが、価格は昔のまま。

・お客さんが払う金額の半分近くは会社への中間マージン。

・完全フリーの実力派似顔絵師に頼むのがオススメ(2021年現在、その状況にも変化が)。

・しかし作家選びの最大の決め手は人気や価格ではなく「絵を気に入るか」。

・そしてなんだかんだで、ウチを選んでほしい。←重要