ゲーム評vol.1「かまいたちの夜」

「ゲームのレビュー」なんてコーナーを設けたわりに、僕は最近のゲームをほとんどやらない。

でもゲームの思い出はいっぱいあるので、ブログのネタが切れたときに(!?)昔を思い出して綴っていきたいと思います。

 

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かまいたちの夜(1994年・スーパーファミコン・チュンソフト)

 

特に改めてプレイしなおしたり調べ物をしなくても、このゲームに関してはスラスラと書けてしまう。それぐらい、やってやってやり倒した作品。

ちなみに上の写真は僕の私物です。ちょっと段ボールを漁ったら出てきました。

その保存状態の良さに自分でも引くほど。

 

このゲームはチュンソフトが打ち出した新ジャンル「サウンドノベル」の第二弾である。前作にあたる「弟切草」に大いにハマった僕は、この「かまいたちの夜」発売の報にとても胸を躍らせた。

 

どんなゲームかを説明するのも面倒だし、せっかく説明書も残っているので…

 

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こんなゲームです(笑)

ざっくり言うと雪山のペンションで起こった殺人事件を解決するゲーム。

小説のようにひたすら文章を読み、途中に現れる選択肢を推理によって正しく選び、グッドエンドを目指す。間違った選択肢を選ぶと最終的には犯人も分からないまま全員死亡のバッドエンドを迎える。

 

シナリオを手掛けたのはミステリー作家の我孫子武丸氏。

本作は理論上、選択肢を潰していけばいつかは正解に辿りついてしまうゲーム性を持っているが、その問題をクリアするどころか、不正解の選択肢へと心理的に巧みに誘導する完成度の高いシナリオは今も語り草である。

 

とまあ、これだけでも十分面白いのだが「かまいたちの夜」が名作…いやある種の伝説として今もなお語り継がれる理由は実はその先にある。

 

今でこそ、この種のノベルゲームに「本編クリア後に新たに現れる選択肢」「〇〇編などのシナリオ分岐」が組み込まれているのは隠し要素でもなんでもないことだが、当時の僕はそりゃあもう興奮したものだった。

どういうことかというと、軸となる「ミステリー編」をクリアすることによって、今までは存在しなかった選択肢がどこかに発生し、それを選ぶことにより「雪山のペンション」という設定以外は全く別物のシナリオ(具体的には「スパイ編」や「オカルト編」など)が楽しめるというものだ。

 

前作の「弟切草」ですでに「〇〇編」という概念はあったけれど、あれは「プレイするたびに変化するシナリオ」そのものを売りにしたシロモノで「かまいたち」とはゲーム性において全く似て非なるものだった。

今回は「繰り返しプレイすることで正しい選択肢を導き出し、ハッピーエンドを目指す」という、ただそれだけのゲームだと思っていたし、説明書やパッケージにも「ミステリーが終わってもシナリオいっぱいあるよ」的なことは何一つ書いていない。

実は本編を解決してからが(プレイ時間的に考えて)このゲームの本番だったりするので、その大部分を占める要素を発売前に明かさなかったことは、今思うとすごいことだと、改めて関心する。

 

そんなわけで「ほかにシナリオはないのか!?」「選択肢は増えてないか!?」「なにか見落としはないか!?」と血眼になってプレイする日々を繰り返したというわけだ。

というのも、当時のファミ通や広告とかには、さらにその先にとんでもない隠し要素があるようなことを匂わせるようなことが書いてあったからだ。

まだインターネットが普及していなかった当時、その謎を解き明かすには、とにかく自分で探すしかなかったのである。

そのために公式ガイドブックも買ったし、ヒントが隠されているというドラマCDも買った。そして、どうやら「RPG」の要素が入ったシナリオがあるらしいことまでは分かったが、どうしても発見できない!

 

 

どうしても知りたい!もう発売してから1年も経ってるのに、オレの知らない何かがまだ存在してるなんて!(そう、気が付けば、1年もプレイしていたのである…)

もう、直接訊くしかない…直接…

 

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というわけで説明書にあったこの「チュンソフト質問ダイヤル」に電話したのだった。

電話の向こうのお姉さんとの会話は今でもはっきり覚えてる。

 

ボク「あのー、「かまいたちの夜」について訊きたいのですが…」

お姉「はい、どうぞ」

ボク「本などには「RPG」なんて書いてあるのですが、それに該当するシナリオが見つからなくて…ドラマCDでは暗号に秘密があるとか言ってて…」

お姉「そうですねえ。その秘密が解ければRPGの意味も…」

ボク「もう1年もやってるんです(涙声)」

お姉「1年やってるんですか!(苦笑)」

ボク「暗号って、あの「暗号編」ですよねえ?でも何を選んでも普通に終わっちゃうし…」

お姉「うーん、暗号に秘密があるというか、画面そのものが暗号というか…」

ボク「え…(真顔)」

 

この「画面そのものが暗号」という一言を聞いたときの衝撃。

頭の中に徐々に浮かんでくるある仮説…。

それを確かめるべく再プレイ。

 

画面そのものが暗号…画面そのものが暗号……画面そのもの……

 

あーーーーーーーーっ!!!!!!!!

 

 

そのときの感動と興奮と言ったら、そりゃあもう。

リアルタイムで、自力でこれを発見した人ってどれくらいいるんだろう?

あの興奮を味わった人は!!

 

ここに辿り着くまでのプロセスと時間と思考の日々と…それらすべてひっくるめて「かまいたちの夜」というゲーム体験だとしたら、そんな体験、ネットがこれだけ発達してしまった現在では、もう二度と出来ないだろう。

実際2008年に発売されたサウンドノベル「428」にも複雑な隠し要素が存在していたが、ネット時代を意識しすぎたあまり「そんなのネットでも見なけりゃ分からんよ!」状態に。

僕もそれらを自力で見つけようなんて、もはや思わなくなっていた(「428」自体は名作です!みんなもプレイしよう!)。

 

「かまいたち夜」はその後、プレイステーション2に2作目、3作目が登場し、一応の完結を見ることになる。

その出来栄えについては、また機会があれば…。