※この記事は2019年に書いたものですが、
(他のサイトでちょこちょこパクられたのもあって)
2024年に改訂版として再構成しました。
僕は2016年に独立、以降、妻と二人だけで似顔絵通販サイト「にがおえレインボー」を運営し続けていますが、最初に徹底的に考えたのが「価格設定」でした。
かなり色々なサイトを見て周り、純粋に「高い」と感じたからです。
大手通販サイトだと、安くても1万円は軽く超えるイメージですね。4人家族やウェルカムボードなんかだと、2万3万当たり前という感じです。
というわけでズバリ、
・なぜ似顔絵通販サイトの販売価格は高いのか?
・その価格に妥当性はあるのか?
・上手な似顔絵通販の選び方とは?
といったところを解説したいと思います。
似顔絵はネット通販時代へ
「似顔絵を描いてもらおう」と思ったとき、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
少し検索すると分かると思いますが、その方法は大きく分けて
「席描き」(直接、対面で描いてもらう)
or
「通販」(ネット通販で注文する)
の二つに分かれると思います。
2015年くらいまでは似顔絵の主流は「席描き」でしたが、今はスマホの普及なんかもあって「通販」が活気づいています。
観光地などでその場で描いてもらう分には席描きでも十分だと思いますが(その時間そのものが思い出になったりしますし)、プレゼント用やウェルカムボード用となると、もう少しじっくり丁寧に描いてほしいところです。
それは描く側も同じで「ウェルカムボードに使うものを30分で描きたくない…」みたいな気分が業界全体に漂い、近年の似顔絵作家たちは通販に力を入れ始めました(もちろん、理由は他にもあると思いますが)。
似顔絵通販サイトって…高くない?
そんな「似顔絵通販戦国時代」真っ盛りの昨今ですが、ネットで検索して各サイトを見ているとこんなことを思うのです。
「た……高い!?」
そう、かなり高額なのです。
店頭価格の4~5倍!!
席描きならば色紙サイズに1名1,500~2,000円くらいが相場です。
これが通販となると8,000円~10,000円!
5,000〜6,000円台ならかなり安い方でしょう。
まあ、だいたいザっと見た感じの相場は8,500円くらいだと思います。
税込みだと10,000円を超えてしまうネットショップもわりと普通に見かけます。
ちなみにウチの「にがおえレインボー」は色紙サイズが1名6,800円(税込)、全国送料無料です。
一般的に、A3サイズなんかだと1名20,000~30,000円なんてザラで、ウェルカムボードなんて30,000円とか40,000円とか。
こちらもウチではA3サイズ1名9,800円(税込)です。
席描きより何倍も時間が掛かるとは言え、1名10,000円とかはいくらなんでも足元見過ぎなんじゃないか!?
これはもしかして、ボッタクリ…!?
高額になるカラクリ
確かに通販は、時間の制約がある席描きよりじっくり丁寧に描けます。
その分だけ高額になるのはある意味で必然ではあるのですが、それでも5,000円とか6,000円+送料くらいでもよさそうなもの。
なぜ席描きの4倍も5倍も価格が跳ね上がってしまうのか?
そのヒミツは似顔絵価格の内訳にあります。
これを紐解いていくと、価格設定の裏に隠された一つの真実が浮き彫りになっていくのです…。
似顔絵の本当の価格
そもそも、例えば1枚8,000円だとして、似顔絵師はいくらもらえるのでしょうか?
その内訳を解説したいと思います。
似顔絵1枚の価格内訳
基本的にこの業界は歩合制です。全ての会社がそうというわけではないですが、まあほぼ間違いなく歩合制でやってます。
お金の話で何かと話題に上がる某吉本興業のように「タレント(似顔絵師)一人一人が個人事業主で、会社はその人たちと出来高払いで契約している」という感じです。
ちなみに契約の形によっては、我々の世界にもたまに「闇営業問題」が発生したりしなかったり。
で、その報酬の内訳ですが、だいたい半分が作家の取り分で、残り半分が会社です。
4,000円…作家の給料(メールなどの事務手数料込み、梱包代負担の場合あり)。
4,000円…会社の取り分。
これも会社によって違うのですが、例えばお客さんとの連絡や発送まで全部会社がやってくれるところもあるし、60%くらいもらえるけどそれらの仕事も作家自身でやるところもあります。
こうやって見ていくと、1名8,000円とか10,000円とかっていう価格設定も、十分妥当性はあるなあなんて思ってしまいますね。だって、会社が半分も取っていってしまうわけですから。
中間マージンが価格を上げる!
とまあ、かなり大雑把な計算ですが1枚8,000円の絵のうち、3,000〜4,000円くらいは会社への中間マージンということになります。
つまり、お客様が似顔絵に8,000円を払うとき、半分の4,000円は事務所や会社への手数料というわけなのです。
そして(調べたわけじゃないですが感覚的に)似顔絵師の8割9割は、何かしらの会社を通して似顔絵を販売しています。
こうして、似顔絵通販の平均販売価格は高くなるわけです。
これが「似顔絵通販が高くなるカラクリ」です。
似顔絵通販の正しい選び方
出来れば支払う金額は安く抑えたいところです。
でもクオリティーも気になる…。
そんな人に僕なりの「似顔絵通販の選び方」をご紹介します。
フリーの似顔絵師がオススメ!
フリーの人には中間マージンがありませんので、余計なお金を払わずに済みます。
個人でホームページを開設しているところは税抜きで5,000円~6,000円台くらいが相場かなという印象です。
クオリティーはピンキリ、と言ったところですが、それは大手サイトに所属している似顔絵師も同じです。別に所属している=上手い、というわけではありません。
むしろ6,000円とかでちゃんと商売が出来ている時点で、フリー作家の方が実力があるという見方も出来ます。
それともうひとつ。フリーの人は「臨機応変に対応してくれる可能性が高い」という利点も見逃せません。
例えば納期だったり、紙のサイズや種類だったり、会社経由だとどうしてもルールが厳しくなりがちですが、フリー似顔絵師の場合は交渉次第でやってくれたりしますので、そのあたりも魅力のひとつです。
僕も結構無理しちゃうことがあります(納期とか)。
「その絵が好きかどうか」が最も重要!
もちろん「気に入った絵柄の人にお願いする」というのが大前提です。
高くても「どうしてもその人に描いてほしい」というのであれば1万円でも2万円でも出した方がいいでしょう。
ただし「人気そうだから」「検索したらすぐ出てきたから」「レビューの星が5ばかりだから」という理由で選ぶのは全くオススメできません!
実際、「似顔絵」と検索すると常に上位に出てくる超大手通販サイトがありますが、あまりいい評判を聞きません。
これは実際にお客様から聞いた話です。
「検索したらすぐ出てきて、人気もありそうだから頼んだら……あんまり…。それで今回はいっぱい調べてレインボーさんにお願いすることにしました」
なんて話はたまに聞きます。
なんかいやらしく聞こえる話ですけど、事実なんだからしょうがない!
似顔絵を頼むということ自体がほとんどの人は馴染みがないでしょうし、検索してパッと出てきて、しかも評価も高そうだったらそこに頼みますよね。それはもう当然だと思います。
ただ繰り返しになりますが、レビューとかには惑わされないでください。
特に、完成作品の画像が無く文字だけのレビューは色んな意味で怪しいです(個人の感想です)。
似顔絵の選び方~基本的なポイント~
ポイントは、
「絵をしっかり見る」
→評価に関係なく、自分が気に入るかどうか。
「どんな人が描いてるのかを知る」
→オーダーメイドですので、安心して頼めそうな人物かどうか、一応プロフィールなどはチェックしておくと良いでしょう。
このあたりを念頭に置いて選んでみてください。
それともうひとつ!安さだけで決めるとやっぱり痛い目に遭うことも。
一人1,000円とか、ウェルカムボードが3,000円!みたいに激安なところは、まず間違いなくプロとしての経験がほとんどない人たち、もしくは副業的な人たちなのでこれもオススメしません(ココナラとかにいっぱいいます)。
まとめ
・お客さんが払う金額の半分近くは、実は会社への中間マージン。
・完全フリーの実力派似顔絵師に頼むのがオススメ(現在、その状況にも変化が)。
・しかし作家選びの最大の決め手は、人気や価格ではなく「絵を気に入るか」。
・そしてなんだかんだで、個人事業で頑張っているウチを選んでほしい。←結論はコレ
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